2005年06月18日

今日はカレーの日

「今日はカレーにゃ♪ かろんちゃん、大盛りで頼むにゃ♪」
「ダメですよ、かわねこさん。みんな平等にです」
「大盛り……(´・ω・`)▽」
「かろんさんの分け方は正確ですからね」
「ちゃんと量はあるから文句言うな」
「ライスなら大盛り出来るよ」
「じゃ、それ頼むにゃ」

「「「「いただきまーす」」」」

「これこれ、これを食べたかったのにゃ」
「本当に嬉しそうですね」
「ガイドブックには載ってないからにゃあ」
「っていうか、普通載ってる?」
「調べましたけれど、載っているガイドブックはありませんでしたね」
「……当たり前だろ」

「ごちそうさまでしたにゃ♪ 堪能したにゃ♪」
「かわねこちゃん、満足した?」
「大満足にゃ。また教えてにゃ♪」
「なぁ、かわねこ……教えるのはいいんだけどな……」
「何かにゃ?」
「カレーの日だけじゃなくて、毎日学校来いや」
「……あぅ (´ー`;)▽」

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2005年04月30日

まっくすは〜と♪ (7)

 二つのマーブルスクリューがぶつかり合い、お互いを押し戻そうとしていた。しっかりと片手を前に突き出し、歯を食いしばって相手からの圧力に耐えるビリキュア達。その均衡は、即ち二組のビリキュアのオーラ能力の均衡であった。


「緒耶美ちゃん、苦しいかもしれないけど頑張るにゃ!」
「がおっ。私達の力はこの位じゃありません!」
「くっ、思ったよりやるね、かわねこちゃん達」
「ああ、予想以上だな。だけど!」

 お互いが放った必殺技が均衡している中、少しでも相手側に押し戻そうとオーラを集中する四人。ブラックとホワイトが互いに繋いでいる手にも力が入る。ここから先は純粋に気力の勝負となる。幸いひと気のないブロックなので、集中するためには好都合であった。ただ、相手の必殺技を押し返すという一点だけに集中するのだ。

「あなた達、何やってるの!?」

 だが、一人の声がそこに割って入る。誰あろう、れも副司令その人であった。近くのブロックでの作業の指揮を終えた後、技術部の要請で別のブロックへ行く途中に、たまたま通りかかったのであった。

 オーラを集中しなくてはならないこの場面で気を逸らすのは自殺行為と言ってもよい。もちろん偽ブラックと偽ホワイト、緒耶美は集中を乱さなかったのだが、かわねこだけが違った。普段の叱咤に対する反応か、つい、れもの声に反応してしまったのである。もはや反射的とも言っていいレベルだろう。

「にゃ、れも君?」
「ご、ご主人様ぁ!!」
「しまったにゃ!」

 その反応が致命的な結果を招いてしまった。自分たちのマーブルスクリューが相手のマーブルスクリューを押さえているということは、一瞬でも気を抜くと均衡が崩れてしまうという事になる。当然その隙を見逃す偽ビリキュアではなかった。気力を振り絞り、オーラを一気に注ぎ込む。

「うにゃぁぁぁぁ」
「きゃぁぁぁぁぁ」

 相手のマーブルスクリューに吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる かわねこと緒耶美。ある程度相殺されているとはいえ、必殺技だけにそれなりの威力がある。衝撃でビリキュア装備が解かれてしまい、変身アイテムがポーチから放り出される位の威力はまだ残っているのであった。

「司令代理! 緒耶美ちゃん!」
「れも君、来ちゃだめにゃ!」
「安全なところに隠れていてください!」

 慌てて、変身の解けたかわねこと緒耶美に駆け寄る れも。なぜビリキュア同士が戦っているのかという経緯は解らないが、確実に解ることは、生身の状態の かわねこと緒耶美はただの少女に過ぎないこと。緒耶美の方は生来の力が強いと言うこともあるが、相手はビリキュア装備。十分なオーラ防御力が無い限り、挑むのは無謀という物だ。

「これでビリキュアには変身できないな」
「だね」

 自分たちの方に放り出された携帯電話型変身アイテムを足でしっかりと踏みつける偽ビリキュアの二人。内心、やっていることは悪役だと思っているのだが、新アイテムをかわねこと緒耶美に使わせる為と、無理矢理自分を納得させている。当然、そんな友情の板挟みな葛藤は かわねこと緒耶美が知る由もない。

「ああっ、変身アイテムが」
「卑怯にゃ……これじゃビリキュアになれないにゃ」

 半ば悔しそうに偽ビリキュアを見上げる かわねこと緒耶美。偽ホワイトの言うとおり、変身アイテムが手元にない以上、ビリキュアに変身することは出来ない。そうなると、ビリキュア装備を身につけた相手の攻撃から、自分たち二人の身が守れない。それは当然として、問題はれもだ。れもを守ることなど無理に等しい。

「万事休すかにゃ。れも君一人守れずに……」
「そういえば……司令代理のご主人様に何かあったら次は副司令が狙われる番だと。果穂さんが昨日言ってました」
「れも君があの二人に襲われたら、ひとたまりもないにゃ」
「なぜですか? 副司令だっていつもオーラハリセンをご主人様に使ってますよね」
「ボクだからだにゃ。ボク以外へのオーラ能力は攻撃も防御もほとんど無いのにゃ」
「そんな……」

 緒耶美が昨日果穂から聞いた話を披露すと、それに納得するかわねこ。れもはフェイザーやフェイザーブレードによる白兵戦の場合ならば、情報部にいた頃の訓練とも合わせて、かなりの対応が出来るはずだ。だが、オーラ装備の相手と対峙した場合にはどうだろうか。かわねこのいう通り、かわねこに対するオーラハリセン攻撃には秀でているものの、それ以外の相手に対しては皆無に等しい。

「れも君までターゲットに入れるとはにゃ。確かにTS9を制圧するには正しいストーリーだにゃ……」
「許せませんよね」

 かわねこと緒耶美が拳に力を込めながら、偽ビリキュアへの怒りを新たにする。それを見ていた当の偽ビリキュアの二人は、戸惑いの表情を隠すことなく顔を見合わせながら小声で囁きあう。

(なぁ、ブラック。俺達ひどい言われ様だと思わないか?)
(仕方ないよ、やってること悪役っぽいし)
(否定できないな……)
(でも、こうでもしないとアイテム使ってくれないんでしょ?)
(だけどなぁ。あいつも二人に何吹き込んだんだか)

 そんな二人の様子には気にもとめず、れもを偽ビリキュアから庇うように立ち上がる かわねこ。ニセ者を睨み付ける様な視線からは、TS9を守るという大きな使命感と、れもを守るという小さな、しかし何物にも代え難い使命感が見て取れるのであった。

「変身できなくても、れも君だけでも……」
「ご主人様、これ……」
「にゃ?」

 小さな拳を握り締つつ、ある種悲壮な覚悟をするかわねこに、緒耶美がポーチを手渡す。果穂からもらったポーチ。その中にあるものは確か……

「果穂ちゃんの……そうかにゃ。まだ手はあるのにゃ」
「はいっ、まだ私達には戦う力があるんです!」

 緒耶美の言葉にうなづき、ポーチの中身を取り出すかわねこ。緒耶美もそれに習う。二人が手にしたのは新しい変身アイテムだった。しっかりと握り締め、決意も新たに偽ビリキュアに立ち向かう。

「れも君はボクが守るにゃ。マージ・マジ・マジーにゃ!」
「ご主人様、それ違うと思います……」
「冗談にゃ。使い方は果穂ちゃんから教わってるのにゃ」

 今回のアイテムはターンタイプ。その表面に手のひらを変身アイテムにかざす二人。どうやら手のひら静脈認証の機能が備わっているらしい。二人は手を握り合い、声も高らかに叫ぶ。

「「デュアルオーロラウエーブ!!」」

 ビリキュア装備を身につけるためのキーワード。その叫びに応えて、オーラ増幅衣が転送装着されていく。見る人が見れば若干デザインが変わったのがわかるのだが、全体的なイメージは変わっていない。ただ、かわねこの風邪対策でブラックのヘソ出しが無くなっただけだ。

「セキュア・ブラック!」
「セキュア・ホワイト!」
「「ふたりはビリキュア」」
「名前を騙りしニセ者達よ!」
「とっととおうちに帰りなさいだにゃ!」

 名乗りを上げて、びしっと偽ビリキュアを指さす かわねこと緒耶美。自分たち自身でも、今まで以上にオーラの力がわき上がっているのがわかる。これならば目の前のニセ者達に負ける事などない。そんな気持ちもわき上がっているのだった。

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2005年03月16日

まっくすは〜と♪(6)

 もう一組のビリキュア、偽ビリキュアをきっと睨みつつ、拳を固める かわねこと緒耶美。軽く腰を落としていつでも飛び出せる体勢だ。

「緒耶美ちゃん、一気に行くにゃ」
「はいっ、ご主人様」

 一方の偽ビリキュアの二人もその様子を見てか、構えを取る。こちらはどうやら積極的に攻めていこうとは思っていないらしい。

「ホワイト、受けるだけでいいの?」
「ああ。手合わせしたことが無いからな。一度力量を見極めないとな」
「それならこうだね。じゃ、行くよ!」
「ああ」

 どちらかともなくお互いに向かって駆け出す二組のビリキュア。気合い一閃、両拳にオーラを纏わせ、お互いが交差する。ブラック同士、ホワイト同士がそれぞれ手を合わせることになった。

「うりゃうりゃぁっ! 口先だけかにゃ!」
「さすがに慣れてるね……」
「ご主人様のモノマネなんて許しませんっ!」
「肉弾戦は慣れてないが……こんなもんか」

 これでもかとばかりに偽ブラックに連続してパンチを叩き込むかわねこ。緒耶美に至っては足払いも入って偽ホワイトを追いつめていく。その勢いに押されてか、一度後ろに間合いを取る偽ビリキュアの二人。構え直しながらニヤリとするかわねこが、隣の緒耶美にささやく。

「これ位でニセ者気取りとは片腹痛いにゃ。緒耶美ちゃん、一気に行くにゃ!」
「はいっ、ご主人様」

 一方、偽ビリキュアの二人も体勢を整え直しながらささやき合う。心なしか両手にまとう、薄いオーラの輝きの質が変わったようだ。

「ブラック、大体掴めたな」
「うん、行けるよ」
「よしっ、今度は一気に行くぞ!」
「うんっ」

 再度、手を合わせる二組のビリキュア。今度は様子が違っていた。先程の手合わせでは押されていた偽ビリキュアが一転、攻勢に出たのであった。

「うにゃ! これで決めるにゃ!」
「かわねこちゃん、こんなもん?」
「まさか……効いてないのかにゃ?」
「ふっ、もう息切れ? それじゃ、反撃行くよ」

 偽ブラックが かわねこの猛攻をことごとく防御オーラで受け止めると、攻撃のオーラに切り換えて反撃を始めた。手数は多くないものの、確実な一撃を打ち込んでいく。

「がぉっ!?」
「大振りすぎるな」
「そこっ!」
「只の馬鹿力じゃ、このコスは意味無い!」

 一方、緒耶美の攻撃は偽ホワイトにことごとく受け流されていた。オーラ攻撃力よりも自分自身のパワーに頼りがちな緒耶美の動きは、偽ホワイトにとっては隙が大きい。それだけに、オーラの一撃を叩き込む好機に富んでいるのであった。

「ええーぃ!」
「せぇぇい!」

 ガードが緩んだところで、力を込めた一撃を放つ偽ビリキュアの二人。オーラ力の集中度合いが強かったのか、防ぎきれずに吹き飛ばされる かわねこと緒耶美。

「うにゃぁぁ!」
「きゃぁぁ!」

 勢いよく壁に叩きつけられる二人。ビリキュア装備が衝撃吸収素材で作られているとはいえ、そのダメージはなかなか大きい様子だ。

「くっ、なかなかやるにゃ……」
「ニセ者の方が私達より強いだなんて……」
「このままだとボク達が消耗するだけにゃ。こうなったら一気に……
「……やりましょう」

 ふらふらと立ち上がりながらお互いの手をぎゅっと握り締める二人。一気に勝負に出ようという魂胆だ。今までこの技でTS9の治安を守ってきた。それだけに自身のある技なのだ。手を更に強く握り締め、空いた方の手を高く突き上げる。

「ほぅ、そう来たか」
「ホワイト、私達も」
「ああ」

 そんな二人を見て、偽ビリキュアの二人もお互いの手を握り、空いた方の手を高く突き上げる。手を握ることにまだ若干の照れがある偽ホワイトだが、いざ握ってみると、偽ブラックから流れ込むオーラの力が心地よい。自分から握る力をほんの少し強くして、空いている手を高く突き上げる。

「「ブラックサンダー!」」
「「ホワイトサンダー!」」

 二組のセキュアブラックとセキュアホワイトの叫ぶ声が重なる。手を繋ぐことによって、お互いのオーラ力を高め合っていく。十分に高まったところで、オーラをそのまま相手にぶつけるという必殺技だ。

「「「「ビリキュア・マーブルスクリュー!」」」」

 叫ぶ四人の声が重なり、オーラの奔流がそれぞれのビリキュアから打ち出される。その反動は身体を押し返す程であるが、少しでも相手にぶつける威力に回そうと、しっかりと踏み留まって反動に耐える四人。

 そして、お互いの必殺技がぶつかり合い、ひと気のないブロック内に輝きが満ち溢れるのであった。

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2005年03月09日

まっくすは〜と♪(5)

「「ビリキュア・マーブルスクリュー!」」
「うぎゃぁぁぁ」

 TS9でも人通りがほとんど無いブロックで、今日もビリキュアが活躍をしていた。今も事件をひとつ解決し、保安部へと引き継いだところであった。

「緒耶美ちゃんのオーラ能力もだいぶ上がって来たにゃあ」
「がお、そうですか? 自分ではあまりわからないんですけど……」
「マーブルスクリューの威力が上がっているのにゃ。って事はボクも緒耶美ちゃんもパワーアップしていると言うことなのにゃ」
「う〜ん、そう言われているとそうかもしれませんけれど……ご主人様が仰るのなら間違いないですね♪」

 ビリキュア装備を解かずに今日の活躍の反省をする二人。風邪時とは違い、確実に必殺技のマーブルスクリューを決めている。やはりオーラ能力というのは使う本人の体調がしっかりと反映するものなのであろう。今日の体調における技の威力に対しては、自信満々のかわねこであった。

「ふん、まだまだだな」「だね」

 そんな自信をあざ笑うかのように、新たな声が響き渡る。保安部員は既に引き上げているので、このブロックにはかわねこと緒耶美の二人しかいないはずだった。だが、確かに二人の声がしたのである。それも声の様子ではかわねこ達と同じ位の年頃の少女らしい。

「がおっ!?」
「誰にゃ?」

 無礼な物言いに、驚く緒耶美と半ば怒り気味に誰何するかわねこ。だが、その返事は予想もしなかった形で返ってきたのだった。緒耶美の方が先に反応し、かわねこに飛びかかるような形で、それを回避したのだ。

「ご主人様、危ない!」
「にゃにゃっ!?」

 つい今まで二人が経っていた場所に力の圧力がほとばしる。オーラを武器とする二人には、それが何であるかはすぐに理解できた。それはビリキュアの必殺技と全く同じ物だったのである。

「がお……マーブルスクリューと同じ……」
「くっ……不意打ちなんて卑怯にゃ! 名を名乗るにゃ!」

 誰なのかはわからないが、いきなり攻撃をしてくるとはいい度胸だとばかりに、かわねこが叫ぶ。その攻撃があまつさえ自分達の必殺技と同じということは、確実に自分達ビリキュアに向けてのメッセージなのだろう。

 だが、不意打ちしてきた二人は、かわねこの言葉が聞こえていないのか、二人でささやきあっていた。

(ホワイト、ちょっとこれ強すぎるんじゃない?)
(ああ。全力出してやったら無茶だぞ、このコス)
(増幅切る?)
(ああ、素でやるか。その分全力で行かなきゃならんけどな……)

 返答がないので、苛立ってもう一度叫ぶ かわねこ。襲撃された上に無視されるのはちょっとばかりひどいだろう。

「誰だって聞いているのにゃ!」
「がおっ! 聞いているんです!」

 かわねこに加わって、緒耶美も襲撃者二人に半ば怒鳴りつける様に問いかける。その勢いに今さらながら気がついたのか、襲撃者達はかわねこ達の方へ向き直って、ポーズを取って名乗りを上げ始めた。

「セキュア・ブラック」
「セキュア・ホワイト」
「「ふたりはビリキュア」」
「オーラの力を持て余し未熟者よ」
「とっととおうちに帰りなさいっ!」

 登場の名乗りを決め、びしっとかわねこと緒耶美を指さす二人組の少女。その衣装はかわねこ達と全く同じ。ショートヘアな少女のセキュアブラックとロングヘアな少女のセキュアホワイトであった。

「ビリキュアが!?」
「どういう事にゃ?」
「あなた達、一体誰なんです」
「どうせ偽者にゃ。フェイクが本物に敵うわけないのにゃ」

 一応のお約束として、ビリキュア装備を付けている人物は、素顔の判別が付かないという効果があった。かわねこと緒耶美達の正体が知られているというのは、報道陣の前で変身している事もあり、TS9全体の周知の事実になっているというだけなのだ。

 ちなみに、その偽者呼ばわりされた少女達の方は、またもや かわねこ達の追求を脇に除け、こんな事をささやき合っていた。

(ううっ。予想してたけど、やっぱ恥ずかしいぞ……)
(うん。5年生にもなってやる事じゃないよね)
(約束だしなぁ……)
(でも、なんかセリフが決まるとちょっと気持ちいいと思わない?)
(そうかぁ? 俺は恥ずいだけだぞ)

 ビリキュア装備の効果の一つとして、決めセリフを言わされる、というものがある。何度も変身しているかわねこと緒耶美は既に自分からセリフを言っているのだが、変身初心者の偽ビリキュアの二人にとっては赤面物のようだった。だが、偽ブラックの方はほんのちょっと気に入った様でもある。

「偽者が私達に何の用なんです!」
「あれ? 私達だって本物だよ」
「なんだってにゃっ!? 本物はボク達にゃ!」
「とはいえ、その程度の力で本物って言われてもな」
「その程度ですって!? 私達はビリキュアなんです!」
「自信だけは一人前だな。なら、勝った方が本物、って事でどうだ?」

 挑発するような口調の偽ブラックと偽ホワイト。自分達が優位であるような、かわねこ達を見下しているような口調。恥ずかしさを優越感でカバーしようなどとは思っていないのだが、無意識のうちにそんな口調になっているようである。

「その勝負、受けて立ちます」
「お、緒耶美ちゃん?」
「未熟者なんて言わせておいて黙ってられません。それに私達のオーラ力も上がってるって言ったじゃないですか」
「そうだったにゃ。ボク達がニセ者に負けるわけがないのにゃ」

 キッパリと決断する緒耶美に一瞬戸惑う かわねこだったが、緒耶美の気持ちはすぐに理解した。なにせ自分も同じように思っているのだから間違いない。どちらが先に言い出すかだけなのだ。二人はうなずき合い、偽ビリキュアの方をきっと睨み付け、びしっと指し示す。

「覚悟するにゃ!」
「がおっ! ご主人様のニセ者なんて許せません!」

 それを受けて、いつでも来いとばかりに偽ビリキュアの二人も構えを取る。表情を引き締め、静かにオーラを蓄積していく。

「よし、俺達も行くぞ、ブラック」
「うん、ホワイト」

 十分にオーラが蓄積されたのがお互いわかるのか、こちらもうなずき合う二人。軽く息を吐いて、呼吸を整える。素で行けばオーラ能力が格段に下の相手だが、ビリキュア装備の増幅機能をフルに使っているので、現状では互角ぐらいであろう。それ故に、気を抜くことは許されない。


 そして、二組のビリキュアが互いにぶつかり合うのだった。

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2005年03月03日

まっくすは〜と♪(4)

 ところ変わって日東小学校。給食終わって昼休み。頼香と来栖が元気よくグラウンドに遊びに出ようとした所を、果穂から声がかかって引き留められてしまった。外で遊ぶのも楽しみだが、果穂と話すのも楽しい。いつもマンションやさんこうで一緒にいる機会が多いのだが、そこは仲良し三人娘。学校でも一緒にいるのが楽しいのだった。

「頼香さん、来栖さん」
「ん?」
「なになに?」

 だが、今日の果穂の口調はどこか不機嫌な雰囲気があった。そういえば今朝はいつもより口数が少なかったなと思い出す頼香。その不機嫌が明らかに自分達の方に向いているので、何か怒らすようなことをしてしまったのだろうかと思い巡らすが、身に覚えがないだけに当惑してしまうばかりだ。

「二人とも何を言ったんですか、かわねこさんと緒耶美さんに」
「え?」
「ビリキュアの新アイテム、突き返されましたよ。誰かさん達のせいで」

 わずかに刺のある口調で問いかける果穂。頼香と来栖は思わず顔を見合わせてしまう。なるほど、それならば身に覚えがある話だ。ついこの間、かわねこと緒耶美からオーラ能力について相談を受けたばかりなのだ。

「あ、いや、ちょっとした心構えをだな……」
「だよね、頼香ちゃん」
「……そのせいで私の開発時間が無駄になってしまった訳ですね」

 どうやら果穂の怒り(?)は新アイテムを使って貰えなかった事にあるらしい。なにせその原因を作ったのは他でもない頼香と来栖。思わず謝罪の言葉が出てしまう。

「……ごめん」
「ごめんね、果穂ちゃん」

 友人達に謝罪をしてもらうまでもなく、果穂は実のところ本気で怒っている訳ではなかった。ただ、これから二人にしてもらうことを考えると、怒っているポーズを崩さない必要がある。謝罪の後には賠償も求めてなくてはいけないのだ。

「精神論でどうこうって、確かに頼香さんらしいですけれど」
「あはははは……」
「まったく、来栖さんまで一緒になって……」
「あはははは……」
「責任とってくださいね。二人とも」
「責任って?」

 さらりと言う果穂に、来栖が聞き返す。その隣で頼香はどんな無理難題を押しつけられるか、内心恐々としていた。スイートリーフのケーキになるか、はたまた身体で払う――新アイテムを使ってのコスプレ撮影会か。

「あの二人が新アイテムを使うように一肌脱いで欲しいんです」
「それはいいんだけど、でもどうやってあの二人に?」
「強くなるまで今のまま使う気になってるよ」

 意外に普通な「頼み事」だったので、簡単に首を縦に振る頼香と来栖。計算通りと内心ほくそ笑む果穂だったが、もちろん表情には一切出さない。

「巻き取りできなければ停波するまでです」
「「??」」
「たとえ話です。方法はこのとおり考えていますよ」

 計画が表示されているデータパッドを果穂が二人に見せると、それを覗き込む頼香と来栖。昼休みで教室に残っている児童が少ないので、広げていても気付かれにくいのだった。だが、データパッドの表示を読んだ二人は思わず声を上げてしまったので、人が多ければ確実に注目を引いてしまった事だろう。

「「ええっ!?」」
「俺達にこれをやれってか!?」
「かわねこちゃんと緒耶美ちゃん相手に!?」
「責任取っていただけるんじゃなかったんですか?」
「ううっ……確かにそう言ったけど……」
「……やっぱ、ねぇ」

 データパッドにどんな計画が書いてあったのか、思わず顔を見合わせる頼香と来栖であった。

投稿者 かわねぎ 13:02 | 固定リンク | トラックバック (0)

2005年02月27日

まっくすは〜と♪(3)

 TS9のラウンジでかわねこの姿を探す果穂。Aシフトが終わったのであろう、かわねこと緒耶美がテーブルを挟んで向かい合っているのを見つけたので、早速声をかける。

「かわねこさん、緒耶美さん」
「あ、果穂さん」
「果穂ちゃんも仕事終わりかにゃ。立ってないで座るといいにゃ」
「はい。では、ご一緒させてもらいますね」

 かわねこの誘いに、もう一つ椅子を持って来て座る果穂。二人用のテーブルなのだが、飲み物だけを広げるのには十分な広さである。ただ、果穂がこれから広げる物を載せると狭く感じるかもしれない。

「ビリキュアの変身アイテムの改良版が出来ました」
「もう出来たのかにゃ。さすが果穂ちゃんだにゃ」
「すごいですね。がお? 形が変わっているようですけど」

 果穂がテーブルの上に並べた改良版アイテムを手に取った緒耶美の第一声がそれ。今までのアイテムは折りたたみタイプだったのだが、改良版はターンタイプになっている。形が変わった事と、先日果穂がソ○エリの携帯電話を入手した事はおそらく関係ないのだろう。改良版というより全く新しいアイテム。かわねこも手に取ってしげしげと眺める。

「ふみゅ、機種変更かにゃ」
「ビリキュアのデビューから10ヶ月以上経ってますから、ちょうどいいと思いまして」
「もうそれ位経つかにゃ。新規即解だとマークされるからにゃあ」
「がお? ご主人様、何の話ですか?」
「パワーアップもしているんです。そしてこちらが新たに……」

 さらに果穂がアイテムをテーブルに出そうとすると、かわねこがそれを遮った。

「あ、果穂ちゃん、待って欲しいのにゃ」
「え?」
「実は、パワーアップについてなんだけどにゃあ」
「しばらく今のままで行きたいと思うんです」

 かわねこと緒耶美の言葉に驚いたのか、二人の表情を伺う果穂。試してもらってもいないのに拒否されたとあっては、技術者としてのプライドが許さない。事情があるにしても、納得のいく説明が欲しいところだ。そんな果穂の気持ちが伝わったのか、それとも単純に申し訳ないと思ったのか、その訳を話し始める緒耶美と かわねこ。

「実は頼香さんと来栖さんに相談したんです」
「ボク達のオーラ能力はまだまだ伸びる余地があるって事らしいのにゃ」
「果穂さんのアイテムに頼りっぱなしと言うのも良くないと思うんです」
「幸い風邪も治ったし、本当に強くなるまでは頑張ってみようかと思ってるのにゃ」

 緒耶美とかわねこの話を聞いているうちに、段々と納得した表情になってきた果穂。頼香や来栖に言われた事ももっともである。そもそもビリキュアのアイテムはオーラ能力を増幅する物。使用者本来のオーラ能力が伸びれば抜群の効果が現れるが、そうでない場合、いくら増幅しても限度という物があるのだ。

「なるほど、そうでしたか。頼香さんと果穂さんが……」
「自分に納得がいったら、使わせてもらうにゃ」
「せっかく用意していただいたのに、本当にごめんなさい」
「いいんですよ。本当に必要なときに使ってもらう方が、私としても嬉しいですから」

 そう言いながら、テーブルの上のアイテムをカバンにしまう果穂。カバンのジッパーを閉めると、かわねこへと渡す。

「一応、今のうちに一式渡しておきますので、必要なときの為に持っていてくださいね」
「はい」
「わかったにゃ」

 そうして果穂は立ち上がり、ラウンジを後にしたのであった。

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2005年02月20日

まっくすは〜と♪(2)

「お待ちしていました。はい、パワーアップアイテムです♪」

 三人が技術部を訪ねると、開口一番、果穂がテーブルの上に二人分のアイテムを広げだした。かわねこに腕を出してもらい、実際に装着しながら説明を始める。

「左腕に付けて、外部からのオーラ補充に対応できます」
「へくしっ……これでキングフォームになれるのかにゃ?」
「ご主人様、それ違うと思うんですけど……」

 ポーチからカードを二枚取り出すかわねこと、それにツッコミを入れる緒耶美。そんな二人に果穂は会心の出来のアイテムの説明を自慢げに始めようとする。だが、長口上になりそうなところを頼香が遮る。

「おいおい、それじゃないだろ。今回はパワーアップをしにきた訳じゃない」
「でも、マーブルスクリューが破られたんですよね」
「ああ。原因はかわねこのオーラ力の低下だな」
「だったらますますアイテムの必要性が……」
「低下の原因は風邪だ」

 頼香は片手で新アイテムを弄びつつ、果穂に詰め寄る。頼香が見たところ、かわねこと緒耶美の本来のオーラ能力が不足しているとは思えなかった。オーラ能力は気力によって左右するため、風邪気味による一時的な物なのだろう。

「ヘソ出しのコスチュームが問題なんだよ」
「何が問題なんですか。これこそ萌えじゃないですか」
「風邪ひいてるのに、寒そうな恰好させるな! そのせいでかわねこの風邪が悪化したらどうする」
「防寒性能は問題ないはずです!」

 頼香の指摘に猛然と反論する果穂。セキュアブラックのヘソ出しコスチュームは果穂としては譲れないところだ。オーラ増幅衣の効力はデザインに左右される物ではないとは言え、重要な要素である事は間違いない。いや、デザインが最も重要なである。

「ぶえっくぅしぃっ」

 果穂がさらに反論を畳み掛けようとしたところで、かわねこが大きなくしゃみを一つ。頼香と果穂と緒耶美の視線がかわねこに集まる。当然議論も止まるわけで、シーンとなった空気に気まずそうになってしまう かわねこ。

「ごめんにゃ。キャロラット人のボクは寒さに人一倍弱いからにゃあ……」
「そうでしたか……」

 果穂がかわねこの顔をじっと見つめる。風邪で寝込んでいるかわねこの看病というのも乙なものだが、友人を苦しませるのは果穂にとっても本意ではない。それならそれ相応のデザインに変更すればいいだけの事だ。

「わかりました。改良してみます」
「すまないにゃあ。せっかくパワーアップアイテムも準備してもらったのににゃあ」
「構いませんよ。いつか使う機会もあるでしょう。それにかわねこさんに辛い思いはさせたくないですから」

 すまなそうにする かわねこに、果穂は優しく応える。

「辛い思いなら、かわにだちゃんの店でスンドゥプチゲを食べるときに何度も……」
「読みが違う、読みが ( ゚Д゚)つ)д`)▽」
「ご主人様をいじめないでください! ○( ゚Д゚)つ)Д゚)」
「本気でうりうりするんじゃない!」
「加減はしてますぅ……」

 少女達のじゃれ合いが始まっている脇で、その様子を微笑みながら眺めている果穂。そ表情の裏で、せっかく作ったパワーアップアイテムが転んでしまったのでいくらで起きようか、と考えている事は、その場の誰も知らない事であった。

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2005年02月13日

まっくすは〜と♪(1)

「へくしっ……それじゃ行くにゃ。ブラックサンダー!」
「ホワイトサンダー!」

 二人の少女が手を繋ぎ合い、空いた片手を高々と上げてそう叫ぶ。お互いのオーラを増幅し合い、極限まで高めているのであった。

「ビリキュアの美しき魂が」
「へくしっ……邪悪な心を打ち砕くにゃ」
「「ビリキュア・マーブルスクリュー!」」

 増幅した二人のオーラを直接ぶつけるマーブルスクリュー。だが、その輝きはいつもと違って若干少ないものであった。

「ふん、噂に聞いてた程じゃないな、嬢ちゃん達!」

 必殺技に追いつめられたかに見えた悪人が、気合い一発、マーブルスクリューを受け止める。押されつつも気合いを振り絞って、何とかオーラの奔流を脇に弾き飛ばして受け流す。

「「ああっ!?」」

 ビリキュアのマーブルスクリューは、二人のオーラ力を上回っていれば、打ち破ることも可能である。だが、理窟ではそうであっても、実際に目の前でやられるとまた話は別だ。オーラを増幅しているとはいえ、通常のテラン人ぐらいでは太刀打ちできないはずであった。

「お前ら、何やってる!」

 必殺技を打ち破られて呆然としている二人の前にへ飛び込んできたのは、ビリキュアの二人も知っている、ポニーテールの少女。手にしたオーラブレードを一閃し、悪人の足を止める。

「頼香ちゃん!」
「かわねこ、緒耶美ちゃん、今のうちだ」
「はいっ」

 そう言いながらさらに寸刻入れずにもう一振り。この時点で相手のオーラ防御力をかなり削いでいた。ビリキュアの二人も彼女の言葉にはっと我に返り、もう一度手を握り、お互いのオーラを通い合わせる。

「「ビリキュア・マーブルスクリュー!」」
「ぎゃぁぁぁぁ!」

 頼香の助けがあったものの、今度こそ悪人を倒すことが出来たのであった。ビリキュアの活躍がまた一つ、明日の9すぽに載る事だろう。

「それにしても、マーブルスクリューが破られるなんて……」
「ボク達のオーラを上回っているのにゃ。へくしっ……パワーアップが必要な時期なのかにゃあ」
「いや、そうでもなさそうだな」
「「え?」」
「今の見てたけどさ。かわねこ、お前だよ。マーブルスクリューが破られた原因は」
「がおっ? ご主人様が?」

 頼香がオーラスティックを納めながら、かわねこと緒耶美に説明を始めようとする。かわねこのオーラについて指摘しようとした時に、丁度 かわねこが大きなくしゃみを一つ。遠慮のないくしゃみに、頼香は思わず飛び退いてしまった。

「……ぶぇっくしっ!」
「がお!? ご主人様、風邪ですか?」
「寒さには弱いのにゃあ」

 やれやれと思いつつ、頼香はかわねこへの指摘を止めて、風邪の心配をする。頼香にとっても かわねこは大切な友人である。なにせ同年代の軍属だ。TS9の同僚という以上に親しみを持っている。

「お前なぁ、風邪ひいてるならヘソ出しやめろって」
「ううっ、こういうコスチュームだからにゃあ」
「果穂に言って作り直してもらえよ」
「そうするかにゃあ。緒耶美ちゃん、これから果穂ちゃんの所に行くかにゃ」
「はい、ご主人様と一緒なら、どこへでも♪」
「じゃぁ、俺も一緒に」

 こうしてかわねこと緒耶美、頼香の三人は、仲良く技術部のオフィスへと向かったのであった。

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2004年12月01日

学級日誌 始まります

「ふぅ、テストも終わったよぉ」
「出来具合はどうでした?」
「う゛〜、聞かないでよ」
「ほらほら二人とも、説明始めるぞ」
「あ、うん」「はい」
「今回、TS9にブログが導入されたのは知ってるな」
「うん、かわねこちゃんが早速書き込みしてたね」
「それの一環なんだが、地球駐留の俺にもブログを作るように言われているんだ」
「何を書けばいいの?」
「まぁ、色々と俺達の生活の事でいいらしいぞ」
「そうなりますと、同居人の私としては色々と書きたい事が……」
「( ゚Д゚)つ)д`) それはともかくだ。小ネタでも何でも良いらしいぞ」
「よーし、頑張って書き込むね」

「「「それでは、学級日誌、スタートです」」」

「で、何で学級日誌なの?」
「さぁな……」

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