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2005年03月03日

まっくすは〜と♪(4)

 ところ変わって日東小学校。給食終わって昼休み。頼香と来栖が元気よくグラウンドに遊びに出ようとした所を、果穂から声がかかって引き留められてしまった。外で遊ぶのも楽しみだが、果穂と話すのも楽しい。いつもマンションやさんこうで一緒にいる機会が多いのだが、そこは仲良し三人娘。学校でも一緒にいるのが楽しいのだった。

「頼香さん、来栖さん」
「ん?」
「なになに?」

 だが、今日の果穂の口調はどこか不機嫌な雰囲気があった。そういえば今朝はいつもより口数が少なかったなと思い出す頼香。その不機嫌が明らかに自分達の方に向いているので、何か怒らすようなことをしてしまったのだろうかと思い巡らすが、身に覚えがないだけに当惑してしまうばかりだ。

「二人とも何を言ったんですか、かわねこさんと緒耶美さんに」
「え?」
「ビリキュアの新アイテム、突き返されましたよ。誰かさん達のせいで」

 わずかに刺のある口調で問いかける果穂。頼香と来栖は思わず顔を見合わせてしまう。なるほど、それならば身に覚えがある話だ。ついこの間、かわねこと緒耶美からオーラ能力について相談を受けたばかりなのだ。

「あ、いや、ちょっとした心構えをだな……」
「だよね、頼香ちゃん」
「……そのせいで私の開発時間が無駄になってしまった訳ですね」

 どうやら果穂の怒り(?)は新アイテムを使って貰えなかった事にあるらしい。なにせその原因を作ったのは他でもない頼香と来栖。思わず謝罪の言葉が出てしまう。

「……ごめん」
「ごめんね、果穂ちゃん」

 友人達に謝罪をしてもらうまでもなく、果穂は実のところ本気で怒っている訳ではなかった。ただ、これから二人にしてもらうことを考えると、怒っているポーズを崩さない必要がある。謝罪の後には賠償も求めてなくてはいけないのだ。

「精神論でどうこうって、確かに頼香さんらしいですけれど」
「あはははは……」
「まったく、来栖さんまで一緒になって……」
「あはははは……」
「責任とってくださいね。二人とも」
「責任って?」

 さらりと言う果穂に、来栖が聞き返す。その隣で頼香はどんな無理難題を押しつけられるか、内心恐々としていた。スイートリーフのケーキになるか、はたまた身体で払う――新アイテムを使ってのコスプレ撮影会か。

「あの二人が新アイテムを使うように一肌脱いで欲しいんです」
「それはいいんだけど、でもどうやってあの二人に?」
「強くなるまで今のまま使う気になってるよ」

 意外に普通な「頼み事」だったので、簡単に首を縦に振る頼香と来栖。計算通りと内心ほくそ笑む果穂だったが、もちろん表情には一切出さない。

「巻き取りできなければ停波するまでです」
「「??」」
「たとえ話です。方法はこのとおり考えていますよ」

 計画が表示されているデータパッドを果穂が二人に見せると、それを覗き込む頼香と来栖。昼休みで教室に残っている児童が少ないので、広げていても気付かれにくいのだった。だが、データパッドの表示を読んだ二人は思わず声を上げてしまったので、人が多ければ確実に注目を引いてしまった事だろう。

「「ええっ!?」」
「俺達にこれをやれってか!?」
「かわねこちゃんと緒耶美ちゃん相手に!?」
「責任取っていただけるんじゃなかったんですか?」
「ううっ……確かにそう言ったけど……」
「……やっぱ、ねぇ」

 データパッドにどんな計画が書いてあったのか、思わず顔を見合わせる頼香と来栖であった。

投稿者 かわねぎ : 2005年03月03日 13:02

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