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2005年02月27日

まっくすは〜と♪(3)

 TS9のラウンジでかわねこの姿を探す果穂。Aシフトが終わったのであろう、かわねこと緒耶美がテーブルを挟んで向かい合っているのを見つけたので、早速声をかける。

「かわねこさん、緒耶美さん」
「あ、果穂さん」
「果穂ちゃんも仕事終わりかにゃ。立ってないで座るといいにゃ」
「はい。では、ご一緒させてもらいますね」

 かわねこの誘いに、もう一つ椅子を持って来て座る果穂。二人用のテーブルなのだが、飲み物だけを広げるのには十分な広さである。ただ、果穂がこれから広げる物を載せると狭く感じるかもしれない。

「ビリキュアの変身アイテムの改良版が出来ました」
「もう出来たのかにゃ。さすが果穂ちゃんだにゃ」
「すごいですね。がお? 形が変わっているようですけど」

 果穂がテーブルの上に並べた改良版アイテムを手に取った緒耶美の第一声がそれ。今までのアイテムは折りたたみタイプだったのだが、改良版はターンタイプになっている。形が変わった事と、先日果穂がソ○エリの携帯電話を入手した事はおそらく関係ないのだろう。改良版というより全く新しいアイテム。かわねこも手に取ってしげしげと眺める。

「ふみゅ、機種変更かにゃ」
「ビリキュアのデビューから10ヶ月以上経ってますから、ちょうどいいと思いまして」
「もうそれ位経つかにゃ。新規即解だとマークされるからにゃあ」
「がお? ご主人様、何の話ですか?」
「パワーアップもしているんです。そしてこちらが新たに……」

 さらに果穂がアイテムをテーブルに出そうとすると、かわねこがそれを遮った。

「あ、果穂ちゃん、待って欲しいのにゃ」
「え?」
「実は、パワーアップについてなんだけどにゃあ」
「しばらく今のままで行きたいと思うんです」

 かわねこと緒耶美の言葉に驚いたのか、二人の表情を伺う果穂。試してもらってもいないのに拒否されたとあっては、技術者としてのプライドが許さない。事情があるにしても、納得のいく説明が欲しいところだ。そんな果穂の気持ちが伝わったのか、それとも単純に申し訳ないと思ったのか、その訳を話し始める緒耶美と かわねこ。

「実は頼香さんと来栖さんに相談したんです」
「ボク達のオーラ能力はまだまだ伸びる余地があるって事らしいのにゃ」
「果穂さんのアイテムに頼りっぱなしと言うのも良くないと思うんです」
「幸い風邪も治ったし、本当に強くなるまでは頑張ってみようかと思ってるのにゃ」

 緒耶美とかわねこの話を聞いているうちに、段々と納得した表情になってきた果穂。頼香や来栖に言われた事ももっともである。そもそもビリキュアのアイテムはオーラ能力を増幅する物。使用者本来のオーラ能力が伸びれば抜群の効果が現れるが、そうでない場合、いくら増幅しても限度という物があるのだ。

「なるほど、そうでしたか。頼香さんと果穂さんが……」
「自分に納得がいったら、使わせてもらうにゃ」
「せっかく用意していただいたのに、本当にごめんなさい」
「いいんですよ。本当に必要なときに使ってもらう方が、私としても嬉しいですから」

 そう言いながら、テーブルの上のアイテムをカバンにしまう果穂。カバンのジッパーを閉めると、かわねこへと渡す。

「一応、今のうちに一式渡しておきますので、必要なときの為に持っていてくださいね」
「はい」
「わかったにゃ」

 そうして果穂は立ち上がり、ラウンジを後にしたのであった。

投稿者 かわねぎ : 2005年02月27日 09:50

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