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2005年02月20日

まっくすは〜と♪(2)

「お待ちしていました。はい、パワーアップアイテムです♪」

 三人が技術部を訪ねると、開口一番、果穂がテーブルの上に二人分のアイテムを広げだした。かわねこに腕を出してもらい、実際に装着しながら説明を始める。

「左腕に付けて、外部からのオーラ補充に対応できます」
「へくしっ……これでキングフォームになれるのかにゃ?」
「ご主人様、それ違うと思うんですけど……」

 ポーチからカードを二枚取り出すかわねこと、それにツッコミを入れる緒耶美。そんな二人に果穂は会心の出来のアイテムの説明を自慢げに始めようとする。だが、長口上になりそうなところを頼香が遮る。

「おいおい、それじゃないだろ。今回はパワーアップをしにきた訳じゃない」
「でも、マーブルスクリューが破られたんですよね」
「ああ。原因はかわねこのオーラ力の低下だな」
「だったらますますアイテムの必要性が……」
「低下の原因は風邪だ」

 頼香は片手で新アイテムを弄びつつ、果穂に詰め寄る。頼香が見たところ、かわねこと緒耶美の本来のオーラ能力が不足しているとは思えなかった。オーラ能力は気力によって左右するため、風邪気味による一時的な物なのだろう。

「ヘソ出しのコスチュームが問題なんだよ」
「何が問題なんですか。これこそ萌えじゃないですか」
「風邪ひいてるのに、寒そうな恰好させるな! そのせいでかわねこの風邪が悪化したらどうする」
「防寒性能は問題ないはずです!」

 頼香の指摘に猛然と反論する果穂。セキュアブラックのヘソ出しコスチュームは果穂としては譲れないところだ。オーラ増幅衣の効力はデザインに左右される物ではないとは言え、重要な要素である事は間違いない。いや、デザインが最も重要なである。

「ぶえっくぅしぃっ」

 果穂がさらに反論を畳み掛けようとしたところで、かわねこが大きなくしゃみを一つ。頼香と果穂と緒耶美の視線がかわねこに集まる。当然議論も止まるわけで、シーンとなった空気に気まずそうになってしまう かわねこ。

「ごめんにゃ。キャロラット人のボクは寒さに人一倍弱いからにゃあ……」
「そうでしたか……」

 果穂がかわねこの顔をじっと見つめる。風邪で寝込んでいるかわねこの看病というのも乙なものだが、友人を苦しませるのは果穂にとっても本意ではない。それならそれ相応のデザインに変更すればいいだけの事だ。

「わかりました。改良してみます」
「すまないにゃあ。せっかくパワーアップアイテムも準備してもらったのににゃあ」
「構いませんよ。いつか使う機会もあるでしょう。それにかわねこさんに辛い思いはさせたくないですから」

 すまなそうにする かわねこに、果穂は優しく応える。

「辛い思いなら、かわにだちゃんの店でスンドゥプチゲを食べるときに何度も……」
「読みが違う、読みが ( ゚Д゚)つ)д`)▽」
「ご主人様をいじめないでください! ○( ゚Д゚)つ)Д゚)」
「本気でうりうりするんじゃない!」
「加減はしてますぅ……」

 少女達のじゃれ合いが始まっている脇で、その様子を微笑みながら眺めている果穂。そ表情の裏で、せっかく作ったパワーアップアイテムが転んでしまったのでいくらで起きようか、と考えている事は、その場の誰も知らない事であった。

投稿者 かわねぎ : 2005年02月20日 09:17

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